2歳児のイヤイヤ期とはまた違った意味で大変な3歳児…。ママたちの苦労はいったいどこまで続くのでしょう?
「赤ちゃんの時はあんなに可愛かったのに…。」と、過去を振り返ってみたり、あるいは「早く大きくなって欲しい。」と願ってみたり。
一日中子供に振り回されて、子供のことを「可愛い」と思えなくなってしまっている自分がいる…。そしてそんな自分に自己嫌悪を感じて、ますます追いつめられてしまうという悪循環に陥ってしまいます。
言うことを聞かない3歳児にお困りのママたち、「最近子供のことを可愛いと思えない」と感じているママたち、ちょっと立ち止まってみませんか?
子供は可愛くて当たり前?
初めて我が子を胸に抱いたとき、愛しさと幸福とで胸がいっぱいになったことでしょう。
まさか、その数週間後や数か月後、数年後には子供のことをちらっとでも「可愛くない」とか、「もう嫌!」とか、「少しでいいから離れたい!」と思ってしまうことになるなんて、予測できる人はきっといません。
以前どこかで耳にした、「子供は3歳までに一生分の親孝行をする」という言葉も、子供の可愛さと幸福感と共にしみじみと実感できるのは、きっと心にゆとりがある時だけ…。
言っても言っても伝わらない子供にイライラしたら、一時休戦!伝え方を少し工夫することで、さっきまでの苦労が「あれ?」と思うくらい負担が軽減されていることってあるんですよ。
幸せのかたち
以前、早くから保育園に預けて働く友人の言葉がとても印象的でした。朝は毎日バタバタで、夜は義母にご飯とお風呂までお願いしていて、寝ている子供を連れて帰ることもしばしば…。
彼女は、「子供と一緒に過ごせる時間が少ないことが悩みなんだよね…。」と言っていましたが、一方で「子供が言うことを聞いてくれないからストレスはたまるし、毎日本当に大変!!」という私の悩みにはあまり思い当たることはないとのこと。
確かに、私自身も、実家に数時間子供を預けて出かけて帰ってきたときに感じた愛しさは格別でしたし、外で仕事をしている間、子供のことを考えずにいられることから得られる解放感が大きかったことも事実です。
子供にとって、母親にとって、「一体どちらが幸せなんだろう?」なんて、つい考えてしまいます。
3歳児は可愛くない?!
3歳になって、おしゃべりも一丁前。少し前までの赤ちゃんの頃を懐かしんでしまうほど、最近の我が子と言ったら生意気で「ほんと可愛くない!!」とお思いのママたち、本当にお疲れ様です。
「やりなさい!」ということには知らんぷりで、「やめなさい!」ということばかりする3歳児はまさしく強敵ですよね。
いったん公園へ行くと、いつまで経っても帰りたがらず、「もう帰るわよ!」と言っても「イヤ!まだ遊ぶ!」の押し問答。「じゃあママはもう知らないからね!」と言ったら今度は大声で泣きわめく始末…。「公園になんてもう二度と行きたくない。」と、何度思ったことでしょう。
また、ある時はテレビばかり観たがる子供に「もうやめなさい!」と言っても「まだ観たいもん。」と言って聞きません。
歯磨きはしないし、着替えもしない。ご飯は好きなものしか食べないし、スーパーへ行くと必ずと言っていいほど「お菓子を買って」とねだります。
「どこで子育ての仕方を間違えたのか…?」と、自信をなくしてしまいそうです。
育て方が悪かったの?
でもね、それはママのせいではありません。子供たちは今、一生懸命自己主張の仕方を学んでいる段階なんです。
ママが自分に望んでいることと、自分のやりたいことにズレがあるとき、この頃の子供たちには「イヤ!」と言うことしか手段がありません。
モヤモヤ気分の正体
とは言っても、現在小学生になる我が家の子供たちを見ていても、未だに自分の思いを上手に伝えられないこともしょっちゅう。
それでもやっと(少しずつではありますが)、子供自身で自分のことを分析するような行動を見せることがあります。
ある週末のこと。その日の下の子は朝から何だか機嫌が悪く、上の子のやることなすことにケチをつけています。そして何か思い通りにならないことがあると、普段おっとりしている子にしては珍しく癇癪をおこしています。
朝から好きなメニューのご飯も作っているし、前から「行きたい」と行っていたところにも連れて行って帰ってきたところだし、一体何が気に入らないのか私には見当もつきませんでした。
そんな様子の下の子をなだめたりすかしたり…。何とか頑張って構ってくれていた上の子も、そろそろ限界です。
ママ、分かったよ!
私にも上の子にも、「もう知らない!!」と、総スカンをくらったような状態でしばらく一人で遊んでいた下の子が、そのうち自分から私のところへやって来ました。
そして、「ママ、今日はなんで嫌な気分だったのか分かった!」「今日はパパがお仕事でお家にいなかったからなんだ。」と言うのです。
言われてみれば、週末となるといつもパパにぴったりくっついているのに、その日は仕事の都合で休めなかったパパは一日いません。
パパが行けなくなったとはいえ、予定通り遊びに連れて行き、子供の喜ぶことをしてやっていたつもりでいた私にとっては、まるで寝耳に水。「えっ?そんなことで?」と不思議な思いもしましたが、子供にとっては大問題だったのでしょうね。
だから嫌だったんだ…
理由が分かってスッキリした我が子は、しばらくするとさっきまでの不機嫌な様子がうそのよう。子供にとっても、「自分でも理由が分からない、でも何となくモヤモヤした気分」というのが、とても不快なことだったのだと、その時の子供の様子を見ていて、腑に落ちた気がしました。
言うことを聞かない理由
とすると、子供たちが私たちの「言うことを聞かない」理由も、きっとあるのでしょう。
「着替えなさい!」と言ってもなかなか着替えない子供に、無理やり着替えさせようとすると嫌がる理由は、自分でやりたかったから。
「何時間遊べば気が済むの?もう帰るわよ!」と言われても公園から帰りたがらない理由は、帰ったらママはご飯の支度やら何やらで構ってくれないから。
「早くしなさい!」と言われてもぐずぐずしている理由は、「早くする」ということがどういうことかが分からなかったから。
その時その時で理由は異なるとはいえ、子供たちが言うことを聞かなかった理由は、もしかしたらこんなことだったのかもしれません。
親になった私たち
たとえ小さな子供であっても、意思を持ち「自分でできる」というプライドもあり、そして子供たちなりの理由があるということを、私たち大人は見落としてしまいがちです。
だから、「まったく、一体何が気に入らないの?」とか、「わがまま言ってないで言うことを聞きなさい。」と言って、自分の想像の及ぶ範囲外のことを大人たちは理解できません。
なのに親になったとたん、私たちはそのことを忘れてしまっています。
困った時は…
子供が言うことを聞かなくて困った時は、「今すぐここで、こうしなさい」と子供の行動をすべてコントロールしたくなる気持ちは少し隅の方へ置いておいて、「自分で考えて、自分のタイミングでやる」余地を与えてあげましょう。
先へ先へと誘導するのではなく、「さあ、次は何をする時間かな?」と促してみるのもいいでしょう。
「早くしなさい。」という曖昧な言葉には反応できなくても、「この時計の針がここまで来たらお出かけするから、お着替えしてね。」という言葉なら分かりやすい。
少し大人扱いしてもらえたことで子供の小さなプライドもちょっぴりくすぐられ、張り切って行動に移してくれることも…。
言葉では伝わりにくいときは、例えば時計の針を絵に描くなどして、視覚に訴えてみるのも効果的です。
3歳児とうまくコミュニケーションをとる時のコツはずばり、相手の意思を認めてやることと、ちっちゃなプライドを守ってやること。そのことをぜひ意識してみてくださいね。